一瞬のきらめきを


今日、地元で夏祭りがあってぼかぁそれに顔を出した訳です。
そこでまぁ高校生バンドが何か歌を歌ってるのね。
『おー、若いねえ』とか思って少し見てみると、
恥ずかしさを捨てきれないけどシャウトをかまし
GOING STEADYの『若者たち』を演奏し始めた訳です。


―普通。もうね、何処にでも居る様な高校生バンド。
アレだ、『バンド始めてみました』みたいな感じのバンドな訳。
でもね、何かぼかぁそのバンドを見て涙が出そうになった訳だ。
何つーかね、『あぁもうあの頃の気持ちは戻らないのかな』とか思ったら、
一瞬ウルッと来ちゃったのね。自分自身よく分からんけどさー。


そりゃぁ僕だって昔は漫才をかましたり、
人前で体育館のステージに立ってGOING STEADYの『Stand by me』を歌ってた。
今思えば当時しょっぱい青春の日々を送ってた俺はそんだけの事をやろうとする…
要するに『思い出作りのためにバカをする』だけのエネルギーはあった訳だ。
そしてそれを『正しい事』じゃ思って何も考えずにひたすらにやってた。
まして『若さがあるから出来る』だなんて思っても居なかった。
まるでボクサーが縄跳びを飛ぶ時のようにひたすらにやってたんだわな。



でもぼかぁ今日彼等のバンド演奏を見て泣きそうになった。
例えそれが一瞬の出来事じゃったとしてもそーなったってぇのはさ、
彼等の姿に何かを感じて心が揺らいだけんじゃろう。
ぼかぁそれは『まっすぐに前を見てる時の輝き』じゃと思うんだ。
それは俺が『Stand by me』を歌った時の様な、
全校生徒を前にして漫才をしてダダスベリをかました時の様な物で、
きっとそれが羨ましく思えたんじゃろうな。


まぁそんな事を言ってる俺もまだ21な訳でまだまだ人生これからな訳です。
まだ誰かが『あの頃は若かった』だなんて言ってりゃーさ、
『うるせえ、くだらねえ』とでも言える歳ではあんだわ。



―あの頃のまっすぐな気持ちを忘れんようにせにゃぁね。うん。